ジャーナルクラブ

Journal Club2025.11.28

USP4 regulates TUT1 ubiquitination status in concert with SART3 (BBRC, 2024) (担当:板橋)

USP4 regulates TUT1 ubiquitination status in concert with SART3

Jaehyun Kim, Takumi Taketomi, Atsuma Yamada, Yukino Uematsu, Kentaro Ueda, Tomoki Chiba, Fuminori Tsuruta.

Biochem Biophys Res Commun, 701:149557. 2024

DOI: 10.1016/j.bbrc.2024.149557


 RNAスプライシングは、5種類のU snRNAと複数のタンパク質から構成されるスプライソソームによって触媒されている。スプライソソームの構成因子であるU6 snRNAの3’末端は、TUT1によってオリゴウリジンが付加された後、Usb1によって適切な長さに削られることで、細胞内での安定性が向上する。こうした3’末端の成熟化を経たU6 snRNAのオリゴウリジン配列にLsmタンパク質複合体が結合することで、U6 snRNAはスプライシングサイクルへと参加していく。


  以前、著者らはユビキチン特異ペプチダーゼ(USP)の一員であるUSP15がTerminal uridylyl transferase 1(TUT1)を脱ユビキチン化し、これがU6 snRNAの3’部位をウリジル化することを発見した。さらに、脱ユビキチン化されたTUT1は核小体から核質へと移行し、RNAスプライシング全体を制御していた。USP15と相同性の高いタンパク質であるUSP4は、USP15といくつか基質を共有するため、USP4はTUT1を脱ユビキチン化することが推測されているが、その詳細は明らかになっていなかった。


  本論文では、USP4とUSP15の構造的な類似性があることから、USP4は細胞内でUSP15と同様の機能を担うと推測し、USP4の機能解析を行っている。まず、USP4が相互作用するタンパク質をSTRINGによって探索し、USP4はU6 snRNAのリサイクリング因子であるsquamous cell carcinoma antigen recognized by T cells 3(SART3)を介してUSP15と相互作用を示す可能性を予測し、免疫沈降でUSP4-SART3, USP4-TUT1の相互作用を検証している。さらにUSP15とTUT1との相互作用がSART3によって増強される以前の報告と同様に、USP4とTUT1の相互作用についてもSART3により増強されることを示している。


また、USP4がTUT1を脱ユビキチン化すること、そしてSART3がUSP4によるTUT1の脱ユビキチン化を促進することを示している。最後に著者らは、USP15と同様、USP4によって脱ユビキチン化されたTUT1は核小体から核質へと移行し、さらにU6 snRNAのリサイクル因子であるSART3の発現によってこの局在移行は促進されることを示している。また、TUT1の局在移行にはUSP15よりもUSP4のほうが影響を与えていた。さらには、TUT1及びUSP4の発現によってU6 snRNAの発現量は増加傾向を示すことも示している。

 以上、本論文ではUSP4がTUT1を脱ユビキチン化すること、それに伴いTUT1は核小体から核質に移行し、U6 snRNAの安定化を促すことでpre-mRNAのスプライシングが制御されている可能性を示唆している。




この記事を書いた人
板橋 十央子 (生命創薬科学科4年)
板橋 十央子

最新ジャーナルクラブ

2025.12.16
Journal Club
Structural investigation of human U6 snRNA recognition by spliceosomal recycling factor SART3 RNA recognition motifs (FEBS J., 2025) (担当:小野寺)
2025.12.11
Journal Club
Molecular basis of the autoregulatory mechanism of motor neuron-related splicing factor 30. (JBC, 2025. Spt.) (担当:志田)

カテゴリ

アーカイブ