ジャーナルクラブ
Defining the impact of rRNA processing on nucleolar organization and function (bioRxiv, 2025, Oct) (担当:山本)
Defining the impact of rRNA processing on nucleolar organization and function
(bioRxiv, October,2025)
Maria Saraí Mendoza-Figueroa, Ellen Lavorando, Yulia Gonskikh, Charles Antony, Heidi Elashal, Anthony Yulin Chen, Hsin-Yao Tang, Dawn Carone, Vikram R. Paralkar, and Kathy Fange Liu
リボソームの生合成過程では、rRNAの転写、プロセシング、リボソームサブユニットの組み立てを経て、機能的なリボソームが形成される。これらは主に核小体で行われ、核小体は中心からfibrillar center(FC)、dense fibrillar component(DFC)及びgranular component(GC)の三層構造を形成している。rRNAの転写はFC、DFCの境界領域で開始され、DFCでプロセシングされた後、GCへと移動し、局在を変化させながら成熟していく。これらの核小体構造はリボソームの段階的な組み立てや成熟化に必要不可欠なものである。さらに、rRNAのプロセシングやリボソーム生合成が阻害されると、核小体構造に影響を及ぼすことが知られている。しかし、rRNAプロセシングやリボソームの組み立てが核小体の形成および機能制御に及ぼす影響について、重要な段階や分子機構は明らかになっていない。
本論文では、rRNAプロセシングの各段階が核小体構造にどのような影響を与えるかを明らかにすることを目的とし解析を行った。rRNAの成熟に関与する因子として、5’ETSのA1切断を行うUTP24、ITS1のsite2切断を行うMRP RNA、ITS2の切断に関与するPELP1、ならびに3’ETSのプロセシングに必須なURB1のノックアウト細胞を用いて、免疫蛍光法により、プロセシング障害が核小体の形態に及ぼす影響を評価した。
その結果、5’ETS切断が阻害されると、核小体の肥大化と3層構造が崩れることが示された。また、UTP24以外の5‘ETS切断に関わる因子をノックアウトした場合でも同様の結果が得られた。さらに触媒活性を欠失させた変異型UTP24を発現させた場合でも、UTP24欠失下と同様の結果が得られた。しかし、ITS1、ITS2、3’ETSのプロセシングに関与する因子をノックアウトした場合では、顕著な変化は見られなかった。また、UTP24欠失下において、FRAP解析により核小体の動態が著しく減少していることが示された。さらにAPEX2を用いた質量分析の結果、翻訳やU2型スプライソソームなどの組み立てに関わる多く因子が減少していることが明らかになった。加えて、免疫蛍光法により核小体周辺のヘテロクロマチンマーカーH3K27me3の分布の変化が認められた。
以上から本論分では、5’ETSのプロセシングが、rRNAの成熟だけではなく、核小体構造の形成や動態、さらには核内クロマチン分布においても重要な役割を持っていることが明らかになった。